いうことをこれから心にとめて勉強を続けていき
たいと強く感じた。」
参加者全員の感想を「サプリの窓」に掲載して
いるが、彼らが「人間として伸びたい」と願って
いることがわかる。学ぶ意欲や懸念されているが、
これが本当の中学生の本心であり、学ぶ姿勢であ
る。大人よりずっとまともである。学力低下より
も、子どもたちの期待に応える学びがないこと、
手本となる大人がないことを私たちは懸念すべき
である。「学びの学校」を創らねばならない。
不思議なことに高校2年生頃から志が急に冷
めてくる。「大人」になってきたのかもしれない。
◇誰もが成長したいと思っている
7月に在校生保護者を対象として「親サプリ講
座」を開講した。内容は「勉強サプリ」を大人向
けにしたものである。 80名を超す参加者を得た。
「自分の歳ではすでに『夢』を失いかけていまし
とか、今日の話でまた『夢』に向かって頑張れる
ような気がしてきました。また、先生の話を間い
て、学ぶことの素晴らしさを再認識しました。ど
うちありがとうございました。」
「『やる気』のお話にはとても共感いたしました。
『学ぶ』ということは、学生の時だけでなく、一
生持続させるということ。家庭内の雰囲気も『や
る気』が出るような環境作りに力を入れていきた
いと思います。また、身心共に健康であることが
学力向上につながっていくと思います。」
大人も仲びたがっている。学びたがっている。
8月末に「中学生親サプリ」を企画した。学びを
求める中学生に加えて、学びを求める保護者を募
集したかったからである。学びの学校づくりへの
準備である。台風が迫りつつある日曜日であった
が、22名の方に参加していただいた。
私たちは子どもたちに学びの姿を見せているか。
学ぶ楽しさを知っているか。学ぶ意味が分かって
いるか。「学びの先達になろう!]が合い言葉で |
ある。学びは大人の責任でもある。無責任な者の
命令を間く者などいるまい。
◇教員も学ばなければいけない
教員は概して勉強嫌いである。研修は退屈だと
言う。と言いながら、生徒には退屈な授業を強い
る。夏期休業中に全員参加の全日研修をする県立
高校はないだろう。できないと思う。
開智高校では、夏期休業中、全員参加の全日研
修を2回実施した。第1回研修は「東大の人試問
題分析と指導方法」がテーマで、予め全員が東大
の入試問題を解く。傾向分析は当然だが、東大の
問題が解けるようになるためにどのような授業の
在り方を考えたらよいかを教科ごとに考え、全体
会で発表するという研修である。第2回研修は
「『学び合い』の効果と導入方法」がテーマで、
東大の三宅なほみ教授の企画・指導によるワーク
ショップである。ここでは教員が生徒になり、学
びの主体になることを体験する。「よく教える者
はよく学ぶ者である]と職員に言い続けている。
学びに集中する教員の姿を見ながら、「開智高校
にいる者全員が伸びる」?そんな「夢」学校を一
緒に創れそうな気がしている。
これも夏期休業中だが、「教えのサプリ講座」
という教員対象のサプリを試行的に行った。授業
力を向上させる方法を考える講座である。教育誌
の私の連載や本校のホームページに広報したとこ
ろ、東京都、宮城県、長野県から先生方が参加し
て下さった。教員の学びの輪を全国へ広げたい。
成熟した日本社会であるためには大人が大人で
なければならないと思う。そして学校は、大人も
子どもも学ぶ学校でなければならないと思う。
下の開智高校の宣伝には「クリエイティブな思
考を育てる進学校」とある。まずは校長自身がク
リエイティブな思考ができるよう学んでいかなく
てはいけない。精進しよう。 |